ふるさと空間、川崎市民プラザ

 つい先日、地元の公共施設である川崎市民プラザに行って参りました。

 

www.kawasaki-shiminplaza.jp

 といっても、普段から頻繁に利用しているわけではないのですが、母親から市民プラザ施設内にある映画シアターにて、話題作「この世界の片隅に」を一日限定で上映するといった旨のチラシが来ていると紹介されまして。まだ本作を視聴していなかった自分としては、これは劇場で観る最後のチャンスだと思い、この世界の片隅にのために赴いた次第なのです。

 いざ当日、上映時間の10時30分に間に合うよう家を出て、スマホのグーグルマップを片手になんとか目的地へとたどり着く。とりあえず、一番近かった東門から入ると自然公園めいた場所へと出る。アスファルト塗装の都会から切り抜かれたかのような緑色に包まれた癒やしの空間を抜けると、ほどなく川崎市民プラザ本館へと着く。

 すると、地元ボランティアの女の子たちのおかげでプラザのシアター、通称「ふるさと劇場」へとスムーズに案内される。

 シアターホールの席に腰を下ろす。周りの人たちを見渡すと、子連れの母親、若い夫婦など様々だったが、やはり高齢層が最も多い。「この世界に片隅に」自体が、戦争世代か、それにほど近い年齢層にとくにウケがいいとは前々から聞いていたし、市民プラザそのもののふるさと的なアトモスフィアを意識した施設であるため、需要がバッチリ噛み合っているというわけだろう。

 やがて主催者側の軽い挨拶が終わり、126分もの上映時間を迎えて、照明が明るくなると同時に拍手喝采が沸き起こる。万感の意に感化された自分もそれらに倣ってしまう。そして感慨深い気持ちを胸にシアターをあとにしたのだった。

 今度は何気なく行ってみてもいいかもしれない。映画の感動とはまた別に、川崎市民プラザはそんな風に思わせるような、ずっとそこに居たくなるような、どこか落ち着いた空間だった