至高の一杯

 それは遡ること3年ほど前のこと。

 ――ぶっちぎりに美味しいラーメン屋がある。

 僕の知人がそう薦めてきたことがあった。彼は『ラーメンジャンキー』とまで行かなくとも、都心や地元のラーメン店をそれなりに食べ歩きするぐらいのラーメン通なのだが、そんな彼が鼻息を荒くして熱く語る。興味を掻き立てられた僕は数日後、件のラーメン屋『懐や』の暖簾をくぐってみることにした。

 ――はずなのだが、 いざ店に赴けばそこには既に長蛇の列。時刻は11時、開店時間の30分前に着いたにも関わらず、だ。2月半ばの冷え冷えとした空気に晒されながらも、ある者はスマホ片手に、ある者は同伴者ととりとめのない会話を交わしながら白い息を吐いている。そうまでして他の人よりも早く食べたいという執念に人々を駆り立ててしまう一杯とはいかに。そのとき僕の懐やのラーメンに対する期待は一層高まった。

 列に混ざって待つこと十数分。ようやく人が捌けて中に入れる。お世辞にも広いとは言い難い店内にたった6席のカウンターとその後ろにある待機用の長椅子。従業員は若い男性店主とその母親らしき婦人の二人のみ。それでいてスープが無くなり次第閉店、という張り紙が張られている。回転率や利益を重んじるチェーン店とは真逆だった。よほど質に自信があるようだ。

 ほどなくして空いたカウンター席に座り、券売機で購入した塩味の手打ち麺の食券を婦人に手渡す(ちなみに味のバリエーションは塩と醤油のみ、麺は手打ち麺と細麺がある。醤油は塩に醤油ベースを足しただけのものであり、醤油味と手打ち麺の組み合わせがこの店の本領なのでオススメだ)。

 着席してから5分経つか経たないかのうちに待ちわびた丼が眼前に置かれる。まずはスープをレンゲで掬い一口。そのとき、『これは今までのラーメンとは違う』ことを僕は瞬時に理解してしてしまう。芳醇ながらもキレのある魚介系出汁の味わい深さに舌鼓を打つ。スープだけにとどまらず、縮れ形状でスープがたくさん絡みつく手打ち麺、その場で焼いて作っている香ばしい自家製チャーシュー、絶妙な歯ごたえのメンマとほうれん草。スープ・具・麺、そのどれもがひとつの『美味いラーメン』を形作るために調和されている。まさに至高の一杯。気付いたら僕は汁の一滴も残さずそれを飲み干していた。

 以来、僕はその味の虜となり、初めて来店してから3年の月日を経た今なお、気が向いたら足を運んでしまう。そして平らげたあとには決まってこう思うのだ。『やっぱり美味いな…』。
 これを読んだアナタ。もしも至高の一杯に興味が湧いたのなら、一度味わってみてはいかがでしょうか?
 東急田園都市線鷺沼駅より徒歩数分圏内に『懐や』はあります

 ↓食べログ
 https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140507/14049709/

ブログ開設いたしました

 はじめまして。このたびブログ開設を致しました『てるよ』です。以後お見知りおきを。

 まずは『初』記事ということで、かるーく自己紹介などをさせて頂きます。

 プロフィール欄にも書いてありますが、趣味は小説を書くこと、ネットサーフィン、ジョギングです。それと最近は外国産クワガタムシのブリードにハマったりしています。またクワガタムシに限らず虫全般が好きです。ので、もしも同じ志を持つ方がいれば、ぜひともお友達になりましょう!(笑)

 ――それはさておき、これからの当ブログの方針としましては、とりあえず自分が住んでいる場所の周辺地域の情報をまとめた記事を週に一回のペースで更新していくつもりです。取り扱うジャンルはおすすめのご当地グルメから時事ネタ地元ネタまで。とにかくなんでも見境なく取り扱う雑食系男子の精神でお送りさせていただきます。

 趣味のネット小説や単発の記事を書いた経験はありますが、こうしてコンスタントに続けていくスタイルのブログ運営は初めてなので、慣れない運営のなかで情けない失態を晒してしまうこともあるかもしれませんが、どうかお手柔らかにお願い致しますm(_ _)m